十四日目 フィレンツェ②

十六日目(20日)にはもう一人アッカデミアを卒業される方と約束をしていた。

それまでこの二日間は何の約束もないので、ゆっくりめなペースで観光

 

十四日目 まずはサンマルコ修道院へ。

ここにはフラアンジェリコの受胎告知があることで有名である。

昔、上村先生が原本の前で模写をした絵でもある。

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フラアンジェリコの絵はとても上品で優しい。特にこの受胎告知は色合いがなんとも言えずとても軽やかな印象があって、すっと入ってくるけど出汁が利いてるみたいな。

全然イタリアンじゃない。むしろ高級和食のような印象を受ける。

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ガブリエルの羽の部分だけ、大粒の顔料が使われていた。写真でも少しキラキラが見えるだろうか。岩絵の具の10番ぐらいはある

フラアンジェリコは本当にやさしい。ピエロデラフランチェスカものちにウッフィツィ美術館で見たのだが、このお二方はほかのルネサンス絵画にはない絶妙な品と静寂がある。

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修道院だからか、小さな個室がたくさんあり、それぞれの部屋にフラアンジェリコの絵が描かれている。

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途中には顔料や画材について説明する展示が。こうやって写真だけみると日本画にだいぶ近い

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なんて穏やかで美しい顔付きなのだろう。こういう宗教画はかならず人物を描くので顔の造形が特に十人十色なのだが、作者の性格が出るところだと個人的に思っている。

フラアンジェリコはきっと優しい人だったのだろう。

・サンタクローチェ教会

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ここもとてもボリュームがあった。

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絵画の前に足場を組んで、そのまま修復作業が行われていた。たしかに移動しなくてよいのでその手間は省かれるかもしれないが、普通に観光客に見られたり、こうやって写真を撮られるので(こっそり撮ったが)修復する側は集中しにくいのではないかと思った。

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この後、ミケランジェロ広場へ、というか広場のさらに上に教会があって、そこを目指していた。

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汗を流しながら登って、小高い丘からみるフィレンツェの町並みはきれいだった。

さらに頑張って登ってサン ミニアート アルモンテ教会へ

f:id:pniharu:20180922052113j:plainなんだか色遣いが独特。

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その後スーパーで買い物して宿へ。

その夜部屋に帰るとおじさんとお爺さんが雑談していた。

二人とも英語が喋れなくてイタリア語オンリーなので自己紹介はともかく、込み入った話はグーグル翻訳を使いながら私も混じって雑談した。

話の流れ的にポートフォリオを見せたら、おじさんの顔が真剣になり、今度背中から尻にかけてタトゥーを入れようと思っているのだがそのデザイン画を描いてくれないか、と頼まれ、おじさんから内容を具体的に聞いた。

おじさんの頭の中に具体的に彫りたい絵のイメージがあるのだけれど、それを自分ではうまく絵に表現できない、ということで、一つ一つ聞きながらさらっと鉛筆で描いた

その絵をおじさんはとても気に入ってくれ、色を君の好きなようにつけてほしいと言われたので色鉛筆でさらっと色を付けた。

さらっと描いたものなので、まあ参考程度に…という気持ちだったのだが採用されてしまって、日本語でサインを描いてくれ!と言われたので名前を漢字で描いた。

そしたら、このさいんはここに入れる!と左しりを指さしてて、まじかよ…ってなった

ついでに俺の名前を漢字で教えてくれ!と言われた。おじさんの名前はジュゼッペ。

これを漢字でかよ…と疲れていた私は、「十絶平」と書いてしまった。

今から考えるとだいぶ適当に当て字をしてしまった気がする

めちゃくちゃ喜んでいて、とても感謝された。

それを期におじさんとお爺さんの私に対する態度はとてもウェルカムな感じになった。

爺さんは二か月このドミトリーにいる自称ピザ職人歴20年

息を吐くように口説いてくる元気すぎる爺さん。断るとしょんぼりするが隙を見て間合いを詰めてくる爺さんで、こっちは疲れてんのによお…という感じだった

とにかく疲れていたので、私はもう寝ますわ、といって寝た。